スムーズな承継のための事業承継計画書の作成

岐阜県 事業承継事例

支援企業の概要

【代表取締役】A氏(61歳)

【創業】昭和44年創業

【従業員】6名(アルバイト含む) 【事業内容】養殖・加工品業

【強み・特長】 50年培った養殖技術で鮮度の高い魚を提供できる。また飲食店を併設し、新鮮な魚を使った料理を提供し、地元客を中心に支持が高い。加えて加工品を開発し、贈答品として百貨店などから引き合いが多い。

【後継者】長男(36歳) 現在、後継者として養殖、製造から営業活動まで代表とともに行っている。以前は自身でアパレル会社を起業し経営者としての経験を持ち、営業力が高い。

 

 

事業承継の課題

①後継者が実質的な経営者であり、早期に事業承継を実施する。

②養殖や調理ノウハウや技術が属人的であるため、マニュアル化の推進。

③法人化タイミングの検討。

 

 

支援内容など

①【現状分析】

 財務内容、保有資産などを確認して課題などの抽出。また、後継者の経営方針や思いなどをヒアリング。特に父親が保有する養殖ノウハウや調理技術の承継を心配している点を課題とした。

②【事業承継計画書の作成と提案】

 現状分析やヒアリング内容を基に、事業承継計画書により全体方針や課題などを文書化して提案した。属人的なノウハウについては、親子で段階的にマニュアル化することを決定した。また、後継者の今後の事業計画についても共有し、目標売上や今後は加工品開発を強化していきたい計画を確認した。そのために、事業承継補助金などを活用し、設備の整備や販売促進の強化を実施する旨計画した。

 

 

成果・事業者の声など

①【事業承継の準備について具体的にイメージできた】

 事業承継をしなければならないと思っていたが、実際に事業承継を行う時期やそれまでに必要なことを、具体的にイメージできる機会となった。

②【属人的なノウハウを文書化するきっかけとなった】

 養殖や調理に必要なノウハウはこれまで口頭で代表から後継者へ引き継がれていたが、計画的ではなかったため後継者の心配の種であった。本支援をきっかけに代表へその想いを伝えることができ、消極的であったマニュアル化の必要性を認識し、協力してもらえる体制となった。

③【後継者の事業計画が明確になり、利用できる施策を知ることができた】

 後継者は加工商品の販売に注力していきたい想いがあった。そのための目標売上や必要な体制・設備などを文書化することでやるべきことが明確になった。また各種補助金が活用できることを知ったことで、今後具体的な実施の際には計画して活用することを確認できた。